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フンデルトワッサーの言葉



「ポフツカワの木と移ろう恋 パースでの一週間」

『潔癖症』

潔癖症は我々の交明において典型的な兆候だ。かつては、不潔と不適切な衛生が病気や死の原因となった。今日では、病気は過度の殺菌状態によって引き起こされている。
有機的、一見無秩序なもの、変化、人間の制御できない創造性や自然の植生は、汚らわしいもの、無秩序、危険なものとみなされる。
過度の殺菌状態は死を招く。洗剤産業や圧力団体はテレビやメディアで好き勝手に間違った記憶を植えつけ、無節操な政治的プロパガンダで洗脳しようとしている。彼らは単純な人々や子供の最も基本的な本能に訴えかける。あなたのシャツは焼もちやきの隣人のシャツより白くなること間違いなしといった具合に。しかし、致死量の有害物質は我々の愛する人や自然を殺すという事実については語られない。我々は汚染と反汚染を同時に促されているのである。
反汚染は、汚染以上にますます危険になってきている。廃物は製品よりますます危険なものになっている。
我々の醜悪で無菌状態に近い団地には、すでに完全にきれいな窓を5回ずつ拭く女性がいる。これは嘆かわしく危険な潔癖症だ。
もし壁にしみがついたら、画一的で無菌状態に近い正面壁を守るために、正面壁全体が塗り直される。
悩みが生じるのは、普通の石鹸で洗濯したきれいなシャツに、しみがついていたときである。このしみはこのシャツを一般大衆のものと違ったものにしてくれた、という思いがけない幸運として歓迎するかわりに、直ちに、もっと危険度の高い有害物質を用いて取り除くのだ。さらに舗装の割れ目から生えてきた草や、植えていないのに勝手に生えてきた樹木に対しても、困ったことだと感じる。こうしたものを残酷に踏み潰したり引き抜いたりするべきではないのに、実際はそうされている。
これらは我々の誤った文明の病理の典型的な兆候なのである。
過度の殺菌状態は死を招く。制御できない有機体の成長や変種や知性を使って保護することは、生につながる。
我々には美のバリアが必要だ。
美のバリアは規格化されていない不規則なものである。


『廃物のない社会に向けて』

もしはっきりとした良心をもちたいと思ったら、廃物のない社会のために戦わなければならない。我々は自然の客人であり、自然の法に従って行動しなければならない。使い捨ての社会に寛大であってはならない。人は、自分自身が世界を荒廃させてきた最も冠険な寄生生物であることを、認識しなければならない。地域を再生させるために、エコロジーの体系の中で自分の本来の場所に戻らなければならない。自然は何百万年にもわたって、沈積物や有害物質を、腐葉土層、植物の層、酸素の層で覆ってきた。その結果、人間は地球で生きていけるのである。しかし、恩知らずな人間はその後、丹念な宇宙的な配慮で隠されていた沈積物や有害物質を取り出し、地表に出してしまった。こうして、無責任な人間の大それた行動により、時間の始まりと同じように世界の終わりも作り出してしまった。
我々は自殺行為を行なっているのである。我々の都市は癌に似た潰瘍なのである。
我々はみな、ゴミに対して責任がある。ゴミは刑事犯罪にするべきだ。根本的にゴミのない状態にするために、ゴミを産出する業者、包装業界、ゴミの原因を作り出す人、ゴミを出す人は、厳重に罰せられるべきである。
我々は自分の国で生産されたものを食べず、食料を遠くアフリ力やアメリ力、中国、ニュージーランドから輸入している。自分たちの糞も保存しない。汚物を遠くへ遠くへと流していく。そうして川や湖や海を汚染しているのである。糞は我々の土地に還元されることもなければ、食料が生産された場所に還元されることもない。我々は食前・食後に感謝の言葉をロにするが、糞をするときは誰も感謝の言葉を口にしない。我々は大地の賜物である日々のパンを神に感謝するが、食べ物が糞になると、自分の糞に祈りを捧げることなどしない。廃物は美しい。廃物に感謝し、再び一体となるのは、美しくて楽しい行為である。



 どうやらフンデルトワッサーはエコロジストらしい。しかし、エコロジーというのは大切なことだとは思うが複雑な問題で、けっこうクリーンなイメージで語られることが多いけど、やっぱりそれはウソくさいと思う。きっとそれは緑にあふれた公園のような世界を目指すものではなくて、汚物や異物………無節操で無秩序なものへの親和性を回復させることなんじゃないだろうか………これを読んでそんなことをちょっと思った。
23:43 | フンデルトワッサー | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑
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