07.24.2006
のび太の恐竜 2006

地元の市民ホールで『ドラえもん』の映画を上映するというのでガキを連れて見に行った。僕にガキがいなければ『ドラえもん』なんてきっと観る機会もなかったと思う。上映していたのは『ドラえもん のび太の恐竜2006』というリメイクものだった。感想はというと……これが意外にも結構よく出来てるのだ。
職業柄気になるのはまず背景なのだが、うまくてリアルによく描けているうえにCGなんかも使ってあか抜けた密度の濃い画面を作っていた。声優さんはおなじみのメンバーじゃなくなっていたが、むしろ映画全体の小気味よいテンポには新しい声優さんたちの方が合ってるんじゃないかと思った。そう…観てて気持ちよかったのは、昔から慣れ親しんだ『ドラえもん』特有の野暮ったい冗長さがなく、キビキビと感情表現や話が展開してゆくところだ。キャラクターの動きも今までの『ドラえもん』はわりと平面的で優等生的……というか動きそのものに魅力はなかったと思うが、今回のはのびのびとキャラが動き回っている。タケコプターで太古の世界を旅するシーンは圧巻で、劇場で観てよかったと思わせるほどだ。まさかタケコプターのような使い古された道具があれほどいきいきと活用される場面があり得るとは思わなかった。
実にさわやかで上質の映画に仕上がっている。子供たちなら大喜びで観るだろう。
………と手放しで賞賛してしまえないのが僕の悲しい性である。よくできた映画ほど僕の中で警戒感が広がってしまう。それでも一応制作側に近い立場にいる僕がこの映画を観てて思ったのは「ああ、こんな仕事がしてみたいな」ってことだった。きっとこの『ドラえもん』を作ったスタッフたちは、新しい『ドラえもん』を作ってやろうという意気込みにあふれていたんじゃないだろうか。そんな雰囲気の中でなら仕事もやりがいのあるものになるんだろうと思う。さらに作ったものが子供たちを笑わせたり泣かせたりして受け入れられることは誇らしいことだ。正直、羨ましい……。僕だってかつては何作か美術監督を務め上げたことがあるんだ。非力ではあったが監督や演出と顔を突き合わせてモノ作りをしたじゃないか……。そういう情熱はすっかり消えてしまっていたが、やる気になれば今だってできるはずだ。よ〜し、もう一花咲かせてやろうか……。
よくできたスペクタクルは、かように承認や労働への意欲をかき立てるのだ。
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Comments
ラストシーンは泣きました。
雅子に「あんたは1,800円払う値打ちあるわ…。」と詠嘆されましたが…。
スキマスイッチの主題歌「ボクノート」は今でも空で歌えます。
(この歌ではやしさん達が死にかけたことがあるという伝説が流布されていますが、事実無根とは言い切れません。)
アニメに限らず最近のウルトラマンとか仮面ライダーとかよくできてますねえ。これは子供の観るものじゃないと何度となくビックリしています。子供たちが夢中になるのも頷けるってものです。……ま、さすがに大人たちは劇場を出れば酔いから覚めます。ですがこれらのスペクタクルは子供たちとは違った意味で僕らにも働きかけているわけです。
「時をかける〜」ではどのシーンやってます?観てないですが、この映画すごく評判いいみたいですよ。背景陣も豪華な面子がやってますね。
ところで、アニメーションに対してやる気を見せているって、何言ってんですか……? いつだって私はやる気満々だったでしょ。仕事命なんですから(嘘)。
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